3 底値の判断(2)
ボリンジャーバンドの判定精度を高めるために、3つのインジケータを組み合わせます。これらはオシレーターともいわれます。
オシレーターとは、株価の高値圏、安値圏、また買われすぎ、売られすぎを判断するためのインジケーターです。
またそれぞれに異なる特徴があり、利点と欠点も違います。そのため、これらを組み合わせることで、お互いの弱点を補完し合い判定の精度が高くなるのです。
それではこのオシレーターの特徴を順番に見ていきましょう。
RSI
RSIとは株価が動いた値幅から、売られすぎを判断するインジケーターです。パラメーターは一般的な14日を使います。
例えば、株価が100円から110円になれば上昇幅は10円です。110円から107円に下落すれば下落幅は3円です。この上昇と下降の値幅をもとに、買われすぎ、売られすぎを判断しています。
RSIは0から100%で表されます。30%以下になると、売られすぎの状態と判断します。ボリンジャーバンドと合わせてみると、より判定が明確になります。リバウンド投資法では株価が-2σの近くにあり、RSIが30%以下になる局面で狙いどころです。
しかしながらRSIにも欠点があります。株価が下落していても、その下落の値幅が縮まってくるとRSIが上昇してしまうことです。これは底打ちを示すダイバージェンスといわれる現象ですが、ピンポイントでの反発を狙うリバウンド投資法では、これが欠点となる場合があります。
ストキャスティクス
ストキャスティクスは過去の株価の高低差から、現在の株価がどの程度の水準にあるかを判断するインジケーターです。
またストキャスティクスにはファーストとスローの2種類があります。それぞれ計算方法の違いから、株価の動きに対する感度を変えて使い分けることができます。
リバウンド投資法では動きが滑らかなスロー(%D)を使います。パラメータは10日としています。20%以下が安値圏にあると判断します。リバウンド投資法では、株価がボリンジャーバンドの-2σ近辺にあり、ストキャスティクスが20%以下になる局面が狙いどころです。
ストキャスティクスの欠点は、株価の動きに対して大きく上下しやすいということです。株価の高低差に幅がなくても、ストキャスティクスの値は上下に動きます。そのため揉みあい状態であっても、底値の水準を示すことがあります。
移動平均乖離率
最後に移動平均乖離率(いどうへいきんかいりりつ)です。
こちらは平均された株価から現在の株価が何%プラス、またはマイナスになっているのかがわかるインジケーターです。一定期間の平均価格から何%割安になっているかによって、底値の水準を判断することができます。
移動平均乖離率の売られすぎの目安は-5%です。期間は一般的によく使われる25日とします。リバウンド投資法ではボリンジャーバンドの-2σに近づいたところで狙います。
移動平均乖離率の欠点は、銘柄によって反発する乖離の値が異なるということです。-5%以下であれば、少なとも平均価格から見れば割安ですが、銘柄によっては-10%以下まで下落する場合もあります。
しかし、他のオシレーターでは判別できない平均価格からの割安がわかるため、フィルターとして使うことで効果が発揮されます。